広告バナーをAIで作るツールは、汎用の画像生成AI、デザインツールのAI機能、広告制作に特化したツールの3種類に分かれます。どれも「AIで画像を作れる」点は同じですが、媒体ごとのサイズ展開やA/Bテスト用の差分づくりといった広告運用の作業をどこまで肩代わりするかが違います。
この記事では、Canva・Midjourney・Adobe Firefly・AdCreative.ai・アドクリ.aiの5つを、広告バナーを継続的に作る担当者の目線で比較します。
この記事の前提
広告バナーAIツールの3つのタイプ
汎用の画像生成AI(Midjourney、Adobe Firefly)
テキストの指示から1枚の絵を作るのが得意なツールです。キービジュアルやイメージ画像の作成に向いています。広告として出すには、文字入れ・媒体ごとのサイズ調整・差分づくりを別の手順で組む必要があります。
デザインツールのAI機能(Canva)
テンプレートを選び、文字や画像を手で配置する作業の中でAIを使います。仕上がりを細かく手で詰められる一方、枚数が増えるほど作業時間も増えます。
広告制作に特化したツール(AdCreative.ai、アドクリ.ai)
ブランド素材や参考画像を入力にして、媒体のサイズに合わせたバナーをまとめて作ることを前提にしたツールです。手作業での細かいレイアウト調整は、デザインツールほど自由ではありません。
比較するときの6つの観点
- 何を起点に作るか:テキストだけか、配信中のバナーや商品画像を参考にできるか
- 媒体サイズへの展開:Google ディスプレイ、Meta、LINEなど、媒体ごとの推奨サイズに作り分ける手間
- A/Bテスト用の差分づくり:コピーだけ・背景だけを変えた案を作れるか
- 日本語テキストの扱い:画像内の日本語が崩れないか。海外製ツールは導入前に必ず試す
- チームでの運用:素材や生成結果を複数人で共有・レビューできるか
- 課金の単位と商用利用の条件:月額か使った分か、生成物を広告に使うときの条件は何か
ツール別の特徴
Canva
テンプレートからデザインを作り、文字や写真を手で動かして仕上げるツールです。作ったデザインを別のサイズに変換するマジックリサイズはCanvaプロの機能で、Canvaのヘルプによると使うたびに毎月のAI使用上限にカウントされます。
月に数枚を丁寧に作る、社内資料やSNS投稿と同じツールでバナーも作りたい、という場合に向いています。アドクリ.aiとの違いはアドクリ.ai vs CanvaとCanvaとアドクリ.aiの比較記事で詳しく比べています。
Midjourney
画像の質感や世界観の表現で選ばれることの多い画像生成AIです。現在は有料プランのみで提供され、Discordのほか、Webサイト上でも生成できます。公式ドキュメントによると、生成した画像は原則としてMidjourneyのWebサイト上で他のユーザーから見える状態になり、非公開にするステルスモードはProとMegaのプランで使えます。
発売前の商品やクライアントの案件を扱う場合は、この公開範囲を確認してからプランを選んでください。広告用の文字入れや媒体サイズへの展開は、別のツールと組み合わせて行います。詳しくはアドクリ.ai vs Midjourneyを参照してください。
Adobe Firefly
Adobeの生成AIです。Adobeは、FireflyのモデルをAdobe Stockのライセンス取得済みコンテンツと著作権の保護期間が終わったパブリックドメインのコンテンツで学習させたと説明しています。生成した画像には、AIを使って作ったことを示すContent Credentialsが付きます。
生成には生成クレジットを使い、有料プランには毎月一定数が含まれます。PhotoshopやIllustratorで仕上げる体制がすでにあるチームなら、制作フローに組み込みやすいツールです。比較はアドクリ.ai vs Adobe Fireflyにまとめています。
AdCreative.ai
海外の広告特化ツールです。ロゴ・色・フォントをブランドキットとして取り込み、媒体別のテンプレートでバナーを作ります。公式サイトでは、配信前に広告の成果を予測してスコアを付けるCreative Scoring AIを機能として挙げています。
料金は月ごとにクレジットが付与されるプラン制で、7日間の無料トライアルがあります。画面や生成されるバナーの日本語の扱いは、トライアル中に自社の商材で試して確かめてください。
アドクリ.ai
配信中のバナーや商品画像を参考画像にセットし、変えたい点をプロンプトで指示して広告クリエイティブを作るツールです。画像生成・リサイズ・背景入れ替え・動画生成・コピー替えの5つのモードがあり、リサイズではGoogle・Meta・LINE・汎用の22種類のサイズプリセットを選べます。参考画像はタグ・フォルダで整理してチームで共有でき、メンバー数に上限はありません。
料金は使う分だけ買うクレジット制です。画像は1枚1クレジット、動画は1本10クレジットで、パックは50クレジット ¥7,500(税込)、200クレジット ¥25,000(税込)、500クレジット ¥50,000(税込)の3種類です。登録時に20クレジットが無料で付与されます。
一方で、生成結果は画像として出力されるため、文字の位置を細かく動かすような手作業の調整はCanvaやPhotoshopで行うことになります。広告の配信データと連携した分析機能は、Meta連携とあわせて準備中です。
モードごとの使い方は広告クリエイティブAI(AI広告画像生成)の機能ページで紹介しています。
比較表
| ツール | タイプ | 作るときの起点 | 媒体サイズへの展開 | 課金の単位 | 無料で試す方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| Canva | デザインツールのAI機能 | テンプレート+手作業の編集 | マジックリサイズ(Canvaプロ) | 月額・年額プラン | 無料プランあり |
| Midjourney | 汎用の画像生成AI | テキストのプロンプト | 生成時にアスペクト比を指定 | 月額・年額プラン(Basic〜Mega) | 有料プランのみ |
| Adobe Firefly | 汎用の画像生成AI | テキストのプロンプト、Adobeアプリでの編集 | PhotoshopなどAdobeアプリ側で調整 | プランごとに毎月付与される生成クレジット | 無料プラン(1日の生成回数に上限) |
| AdCreative.ai | 広告制作に特化したツール | ブランドキット(ロゴ・色・フォント) | 媒体別のテンプレート | 月ごとに付与されるクレジット | 7日間の無料トライアル |
| アドクリ.ai | 広告制作に特化したツール | 参考画像+プロンプト | Google・Meta・LINE・汎用の22種類のサイズプリセット | クレジットパックを都度購入(購入から180日有効) | 登録時に20クレジットを無料付与 |
※他社の情報は2026年10月時点で各社の公式サイト・ヘルプで確認した内容です。
目的別の選び方
- 月に数枚、デザインを手で詰めたい:Canvaのテンプレートで作るほうが早い
- キービジュアルの世界観を作り込みたい:MidjourneyやAdobe Fireflyで素材を作り、文字入れは別のツールで行う
- Adobeアプリで仕上げる制作体制がある:Adobe Fireflyを既存の制作フローに組み込む
- 配信中のバナーを媒体ごとに作り分け、差分を出してテストし続けたい:参考画像から作る広告特化ツールが向いている。日本語のバナーが中心ならアドクリ.ai、英語圏の媒体が中心ならAdCreative.aiも候補になる
どのツールでも、薬機法・景品表示法や各媒体の広告ポリシーに沿っているかの確認は人が行う必要があります。生成物の権利の考え方はAI生成の広告画像は商用利用できる?で整理しています。ツール選びの観点をさらに知りたい場合は広告バナーを自動生成できるAIツール5選と選び方もあわせて読んでみてください。